お寺からのお知らせ

【今月のことば 2019年4月】

投稿日:

【 今月のことば 2019年4月 】

 

支えに出遇ったあなたは

これからどのように生きていくのですか

              稲垣直来氏

 

「念仏は 行者(ぎょうじゃ)のために 非行(ひぎょう)非善(ひぜん)なり ―歎異抄(たんにしょう)―」

非行非善という言葉を、努力も善行も必要なしと理解してしまうと、それを重んじてきた者にとっては、何を大切にすればいいのか迷ってしまうでしょう。しかし、「念仏の救いに出遇った者(行者)にとっては」と親鸞聖人はおさえて教えられています。

 

先般、大病を患いながらも元気一杯の方と出遇いました。身の事実を引き受けることが出来たのは、「助けて」と言えたからだそうです。発病当初は、出来ていたことが出来なくなったので、どう生きていけばいいのかわからなくなったそうです。しかし、弱い自分を認めたくなかったので、「助けて」とだけは言いたくなかったそうです。その事が一層悩みを深くしました。

しかし、言わずには生きていけない中で出遇えたものは、たくさんの支えでした。今までも支えられて在ったのですが、自負心一杯の心で全く大切な事が見えていなかった事に出遇われました。むしろ「支えに出遇ったあなたはこれからどのように生きていくのですか」と道になったと述懐されました。

 

「念仏」(南無阿弥陀仏)とは、朋(とも)なる世界に出遇った者の讃嘆(さんだん)と懺悔(さんげ)の叫び声です。それは私を救い護ろうとするはたらきに出遇って、自分自身に背いて生きてきた自分に出遇えたという感動語です。言い換えれば、念仏のはたらきに出遇ってみれば、人間の心で作り上げた行や善は必要ではなかった(非行非善)という感動の一文が、「念仏は行者のために非行非善なり」という言葉にまでなったのではないでしょうか

 

東大阪市 徳因寺住職 稲垣直来氏

今月のことば 2019 年4月 原文

今月のことば 2019 年4月 

-お寺からのお知らせ
-,

執筆者:

関連記事

 【今月のことば 2024年9月】 東淀川区豊里 真宗大谷派 教応寺 

【今月のことば 2024年9月】

私は、自分で生まれようと思って生まれてきたのではなく、気がついたときには、すでに生まれていました。人生のスタート地点の記憶は全くありません。 でも、いつからかわかりませんが、途中から「私の人生、私のい …

2020 除夜の鐘 中止のお知らせ 掲示

2020年 除夜の鐘 中止のお知らせ

2020年 除夜の鐘 中止のお知らせ 時の流れは早く、今年も残すところわずかになってまいりました。 皆さまいかがお過ごしでしょうか。お変わりございませんでしょうか。 さて、新型コロナウイルス感染拡大防 …

教應寺7月8月の活動について

教應寺7月8月の活動について

教應寺7月8月の活動について   気温も湿度も一気にあがり本格的な梅雨になってまいりました。 皆さまいかがお過ごしでしょうか。 さて、コロナウイルスへの対応につきましては 「新しい生活様式」 …

2024 永代経法要 案内4/27㈯ 4/28㈰ 両日ともに午後2時から

2024年 永代経法要

これからが、これまでを決める 永代経(えいたいきょう)とは、未来永劫、代々にわたって経典が読まれ仏教が伝わっていくことを願ってお勤めする法要です。 また、教応寺に永代祠堂経、永代供養をお納めくださった …

2021年11月1日朝5時40分

今月のことば 2021年11月

【今月のことば 2021年11月】 入寺して間もなく、毎月の定例法話を始めました。 「親鸞聖人のご生涯を学びましょう」と意気込む私のつたない話を、当時の婦人会(現 法灯の会)の皆さまが優しいまなざしで …

サイト内検索

お寺の掲示板

2025年11月のことば

【今月のことば 2025年11月】 

 要のくぎ一本が
 
 欠落していれば

 扇子が扇子にならない

  池田勇諦氏

行事とお知らせ

お寺の行事 2025年11月
11月1日(土) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会
11月16日(日) 午後2時~  
 おそうじとおみがき    
11月22日(土) 午後2時~  
教応寺 報恩講 昼座    
11月22日(土) 午後7時~  
教応寺 報恩講 夜座   
11月23日(日) 午後2時~  
教応寺 報恩講 昼座   
12月1日(月) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会