人生は、巻き戻すこともできないし、やり直すこともできません。
自分の力でなんとかなる、また誰かの助けを借りてなんとかなる問題もあれば、もうどうすることもできない厳しい現実というものも私たちの人生にはあります。
その厳しい現実を前に、何も言うことができない、動くことすらできない。
ただただ出てくるのは、涙とため息。それは止めようと思っても止まるものではありません。「裸の自分」になってしまえばそういうものなのでしょうか。
しかし、どうすることもできないこの苦しみをこの悲しみを、唯一聞いてくださるのが仏さまなのではないでしょうか。
「もうどうしたらいいかわかりません。助けてください」と手を合わせる、そこに遠い過去から永遠につながっている「道」が見出され、その道を歩まれた無数の「人」との出遇いがあるのでしょう。
今月は報恩講が勤まります。私に届けられているものは何か。聞法させていただきましょう。