お寺からのお知らせ

今月のことば 2021年2月

投稿日:

【今月のことば 2020年2月】

 

今月のことば 2021年2月 原文

 

「我欲手伝う仏」在さず

(私の欲望を手伝う仏さまは、おられません)

池田勇諦

 

「我欲を手伝う仏、在さず」ということはいったいどういうことなのでしょうか。

 

端的に言いますと、「信ずる対象」として自分の前に見ている、立てている仏が、実は「信ずる主体」であったということの驚きの言葉でないか。

 

私たちが、「我欲を手伝う仏」を妄想する限りは、仏は常に「信ずる対象」で、自分の前に立てます。そして期待と要求を突き付けていく対象でしかないわけです。ところが、そういうあり方である限りは、そこにおいて、我欲が何ら満たされないということになれば、神も仏もあるものかと、ポイ捨てで終わってしまいます。

 

「真実の仏」というものは、私がものを見る、聞く、考える、行動する、その「主体」になってくださるものなのです。つまり、見る、聞く、考える、行動する、その「感覚」「智慧」となってはたらいてくださるもの。だからその意味では、「本当の私」となってくださるもの。それが「真の仏」でしょう。

 

だから、私たちはその「真の仏」に気付かされると、初めて現前の境遇と向き合っていく、そしてそれを乗り越えていく努力が始まるということではないでしょうか。

 

ところが、その始まった歩みというのは、決して喜びの日暮らしというような、そういうきれいごとではありません。むしろ、我欲の、自我の妄念妄想に振り回されていくような毎日でしかない自分がいよいよ見えてくる、問題になってくる。しかし、そういう自分だから自分はダメなんだということではなくて、そういう自分だからこそ、いよいよ、聞きなおしていかねばならんのだと、立ち上がる、姑息一歩するそのことです。

 

池田勇諦氏

-お寺からのお知らせ
-,

執筆者:

関連記事

今月のことば 2019 年5月 ホワイトボード

【今月のことば 2019年5月】

【今月のことば 2019年5月】   本尊に手を合わせる行為は、 「私にとって本当に尊いとはどういうことなのか」 ということを確かめ、問うということです。 真城義麿氏   仏法は、 …

今月のことば 2019 年8 月 ホワイトボード

今月のことば 2019年8月

【今月のことば 2019年8月】 あすへの準備と きのうまでの愚痴で 塗りつぶされた「いま」 宮城顗氏   文章の中にはもっと引くべき箇所があるのだとは思うのですが、 今回は、この言葉に殴ら …

今月のことば 2021年5月 ホワイトボード

今月のことば 2021年5月

【今月のことば 2021年5月】 人間は根本において迷う存在である                    宮城顗氏     何もかもすべて受けとめ、生かされるままに今を生きる。 人 …

【今月のことば 2022年9月】     東淀川区豊里 真宗大谷派 教應寺     kyououji.com

【今月のことば 2022年9月】

「旧統一教会」関連の報道やそれに対する発信が過熱している。 中には攻撃的なものや過激なもの、また論点がすり替えられているものも少なくない。そういうものに対して十分に注意を払うべきである。   …

2024 春季彼岸会 

2024年 春季彼岸会のご案内

2024 春季彼岸会  早いもので、今年も春のお彼岸をお迎えいたします。 3月20日(水)午前11時 ㊟今回は、午後2時ではありません。 気が付けば、あっという間に時間が経っています。 人生の残り時間 …

サイト内検索

お寺の掲示板

2024年11月のことば

【今月のことば 2024年11月】 

  手を合わせてきた

  先祖の歴史がなければ、

  手を合わすということは
 
  できません。

          宮城顗氏

行事とお知らせ

お寺の行事 2024年11月
11月1日(金) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会
11月9日(土) 午前9時30分~  
幕張り、法要準備    
11月9日(土) 午後2時~  
教応寺 報恩講    
11月9日(土) 午後7時~  
教応寺 報恩講    
11月10日(日) 午後2時~  
教応寺 報恩講    
12月1日(日) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会