お寺からのお知らせ

今月のことば 2020年8月

投稿日:

迷っているという事実こそが

僕ら人間が本当は帰るところなのです

瓜生崇氏

 

自殺を思い詰めるほど悩み苦しんで31歳で脱会した。システムエンジニアの仕事をしながら36歳で縁あった寺の住職となり、自身が所属した教団やオウム真理教の後継団体アレフの信者の脱会支援を続け、100人近いカルト信者の脱会に関わってきた。

 

活動の中で、重要だと感じるのが、ともに迷うこと、揺らぐことだと言う。

信者の教団は間違っていて、脱会することが正しい、というスタンスでは、「信じる教えは正しい」という信念をより強固にさせてしまうだけ。無理に脱会させても別のカルトに走るなど、正しさへの依存は変わらない。

 

「『真理』を求めずにはいられなかった思いを理解し、互いに迷っている存在であるという理解に立てるかどうか。そして迷っても生きていけると伝え続けることが大切です」

 

今、コロナ禍の世界で多くの人が、何が正しい情報なのか、何が正しい選択なのか、見通しにくいまま何らかの選択を迫られている。そんなときに必要なのは、自らの考える「正しさ」に合う情報を集めて理論武装することでも、「敵」をみつけて攻撃することでもないと指摘する。

 

「間違いないと思っていることは本当は間違っているかもしれないという不安、迷いを引き受けること。不安を消し去るのではなく勇気を持って迷うことです。迷っているという事実こそが僕ら人間が本当は帰るところなのです。」

 

瓜生崇氏(2020年7月8日 朝日新聞)

今月のことば 2020年8月 原文

今月のことば 2020年8月 

-お寺からのお知らせ
-,

執筆者:

関連記事

今月のことば 2020年9月 ホワイトボード

今月のことば 2020年9月

【教應寺 今月のことば 2020年9月】   今私たちに必要なのは、 自らの中にある様々な闇に気づいていくということ 酒井義一氏       病に対して怖れを感 …

今月のことば 2020年12月 ホワイトボード

今月のことば 2020年12月

【今月のことば 2020年12月】   迷いの深さは 同時にいのちの深さであります。 佐野明弘氏   なんともなくうまくいっている時には感じませんが、どうにもならぬ悲しい出来事に出 …

【今月のことば 2022年12月】 東淀川区豊里 真宗大谷派 教應寺    kyououji.com

【今月のことば 2022年12月】

【今月のことば 2022年12月】 今年もついに12月になってしまいました。 11月30日と一日しか違わないのに、12月と聞くと急に一年を振り返る気持ちが起こってまいります。不思議なものです。 &nb …

今月のことば 2019 年2 月 ホワイトボード

今月のことば 2019年2月

【今月のことば 2019年2月】   いかなる者も目覚めずにはおれんというのが人間だ。 それが、尊厳性なんだ                 和田稠氏   我々がこう集まってきて、 …

【今月のことば 2023年7月】 東淀川区豊里 真宗大谷派 教応寺    kyououji.com

【今月のことば 2023年7月】

私たちは、日々生きているのですが、その毎日をどう感じているのかということは、人それぞれなのでしょう。 たとえば、同じものを見ても、人それぞれ思い描くことはバラバラですし、また、その時々の自分の心の状態 …

サイト内検索

お寺の掲示板

2025年3月のことば

【今月のことば 2025年3月】 

  気かついたら

  生まれていた

    養老孟司氏

行事とお知らせ

お寺の行事 2025年3月
3月1日(土) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会
3月20日(木) 午後2時~  
春季彼岸会    
4月1日(火) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会
4月26日(土) 午後2時~  
教応寺 永代経    
4月27日(日) 午後2時~  
教応寺 永代経