【今月のことば 2023年4月】
「あの人がいなかったら、今ごろ私はどうなっていたか」
かけがえのない人との出遇い、それは私たちが生きる上で最も求めるものなのだと思います。
親鸞聖人にとっては、法然上人との出遇いがそれにあたるのでしょう。
今、御本山東本願寺では「宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要」がお勤まりになっています。私たち教応寺といたしましても、ご門徒の皆さまとお参りさせていただきます。
私たちがこの慶讃法要を、ただ単なるお祭りや特別なイベントのようなものにしてしまうのであれば、親鸞聖人の御誕生も立教開宗も遠い過去の出来事に終わってしまうのでしょう。
しかしそうではなく、お念仏との出遇いが、人生においてかけがえのないものであったと、この私が頷き直すとき、親鸞聖人は必ず私の隣にいてくださるのでしょう。
ご門徒の皆さまもそれぞれいろいろな形で、この慶讃法要を心待ちにされています。親鸞聖人の小説を読み直された方、親鸞展や親鸞聖人の舞台を楽しみにされている方、中にはこの記念すべき年のために、ご自宅に御絵伝のお掛け軸をお迎えされた方もおられます。
もちろん今回行きたくても、それがかなわない方もおられます。いろいろな方のいろいろなお気持ちとともに慶讃法要にお参りさせていただきます。