真宗大谷派 教應寺
【今月のことば 2020年6月】
おかげさま
緊急事態宣言が解除されました。少し気が緩みそうになってしまいそうですが、ウイルスがゼロになったわけではないので、引き続き気持ちを引き締めないと、と自分に言い聞かせています。
マスク、手洗い、除菌…、見えないウイルスとの暮らしにみなさん大変な思いをされていることと思います。しかしその中にありながらも、他人を思いやり優しい言葉をかけてくださる方、いろいろな形でお気遣いくださる方々のお気持ちがありがたく、心がジーンとあたたかくなります。
また、ご近所の方に出会い「お元気にされてますか?」とお声がけすると「おかげさまで元気にさせてもらってます」と。
今まで幾度となく聞いてきたし言ってもきた「おかげさま」という言葉。
この生活の中で改めて響いてきます。
今、私がここにいる。
この事実を成り立たせるためにどれだけのご苦労があるのだろう。
医療従事者の方々をはじめ、私たちの生活を成り立たせるために、寝る間も惜しんで頑張ってくださっている人たちがいる。それだけじゃない。よくよく考えてみれば、はかり知れないはたらきに私は支えられている。
足りないものや不自由さに心を奪われ、「おかげさま」を見失っては、人生もったいない。
見えている世界は、ほんのちょっと。
私は「おかげさま」でできている。
そう思うと、あたたかい力が湧いてきました。
皆さま、どうぞご無理のないよう気持ちを保ちつつ、くれぐれもご自愛くださいますようお便り申し上げます。
教應寺住職 建部智宏