お寺からのお知らせ

【今月のことば 2019年5月】

投稿日:

【今月のことば 2019年5月】

 

本尊に手を合わせる行為は、

「私にとって本当に尊いとはどういうことなのか」

ということを確かめ、問うということです。

真城義麿氏

 

仏法は、学問や知識ではなく、私たち人間に関わる話です。私たちは、尊く生きる、安心して生きるということを考えていくべきなのですが、生活の中からそれらが抜けてしまったのです。寺院にお参りした時、手を合わせる先は本尊(ほんぞん)です。本尊とは、「本当に尊い」ということです。自宅のお内仏(ないぶつ)(仏壇)で手を合わせたときもそうです。本尊に手を合わせる行為は、「私にとって本当に尊いとはどういうことなのか」ということを確かめ、問うということです。そういう営みであるはずですが、私たちの日常の中に「尊い」ということが抜けてしまっているように思います。本尊(ほんぞん)喪失(そうしつ)の時代といえます。

 

実際に、「尊いとはどういうことですか」と聞かれると上手に答えることが難しいでしょう。例えば、強い人、賢い人、美しい人、速く走る人と、これらには順番がつきます。しかし、「尊い人」には序列や順番がつきません。いかなる境遇にあっても安心して生きていける道といいましょうか。それが何であるのかということが、仏教のテーマなのです。

 

いかなる境遇にあってもということは、年を取っても、病気になっても、大事な人と死に別れることになっても、自分自身の死ということが迫ってきても、それでも毎日を意味のある人生として、あるいは、尊い人生として生きていくというのは、どこで成り立つのかということでありましょう。

 

「生きている」と「生きていく」  ―人間になぜ宗教が必要なのかー

真城義麿 著より

今月のことば 2019 年5月 原文

今月のことば 2019 年5月 

-お寺からのお知らせ
-,

執筆者:

関連記事

2020年 秋季彼岸会のご案内

秋季彼岸会のご案内

残暑厳しい日々が続いております。 しかし、毎月1日朝6時からお勤めしている 「おはよう!おあさじの会」にお参りくださったご門徒さんが、 「こうろぎの声がよく聞こえるようになりましたね」とおっしゃってく …

【今月のことば 2023年4月】 東淀川区豊里 真宗大谷派 教応寺    kyououji.com

【今月のことば 2023年4月】

【今月のことば 2023年4月】 「あの人がいなかったら、今ごろ私はどうなっていたか」 かけがえのない人との出遇い、それは私たちが生きる上で最も求めるものなのだと思います。 親鸞聖人にとっては、法然上 …

紅葉と親鸞聖人

今月のことば 2021年12月

【今月のことば 2021年12月】 今年も残すところ、あとひと月となりました。時の流れの早さに驚くばかりです。 この一年を振り返り、自分がいかに「附帯条件に振り回されて」いたかということを痛感いたしま …

2017年7月8月の行事予定

敎應寺 7月・8月の行事予定

7月は、通常通りの行事予定です。 法灯の会(女性会)は、15日(土)午後2時から。 自灯の会(男性会)は、第3日曜の16日午後2時から。   8月はお盆の法要が勤まります。 ご家族そろってお …

【今月のことば 2024年7月】 東淀川区豊里 真宗大谷派 教応寺  僕たちはとても身勝手で矛盾した生きものだ 森達也氏

【今月のことば 2024年7月】

レモンの木を育てている。毎年、アゲハ蝶が卵を産み、サナギから羽化する姿を見せてくれる。その一部始終に感動し「生命の神秘だ」とつぶやいた。 少し離れたところにあるモミジには、黄緑蛍光色の虫がよく出る。こ …

サイト内検索

お寺の掲示板

2024年7月のことば

【今月のことば 2024年7月】 

  僕たちは
   とても身勝手で
    矛盾した
     生きものだ
             森達也氏

行事とお知らせ

お寺の行事 2024年7月
7月1日(月) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会
7月15日(月) 午後2時~  
法灯の会(女性会)お休み     
8月1日(木) 午前6時〜 
おはよう おあさじの会